散文

生活の基盤を作るのにだいぶ時間がかかる

僕らは今をすする鬼に苛まれてる

見えていない本性をひた隠しにして

個性を求める者を反面教師にする

模倣の出来が良ければそれでいい

でも僕らはそもそも人の真似ができない

「世知辛いね」と独り言を言う

まるで誰かがいるように

まるで誰もが言うように

誰が悪いでもないと言い聞かせて

彼が正しいとも言わないで

清潔なものなど何一つないのに

まるで自らが清いとでも言うように

「日々の雑音に起こされて

途方もなく苛立って

硬い足場に背中を押され

生きて 生きて 生きて

事足りた街の真ん中で

事足りた風にぶつかって

音もなく逃げて行く 逃げて行く」

立ち直りと開き直りを履き違えてる

受けた苦しみを糧にしようと

受けた事実だけを鵜呑みにしている

誰もに理由がある事を忘れ

受けたと勘違いして生きる

自己防衛で他者を殺す

善意を食いつぶして叩き落す

今日に至るまで僕らは誰かが悪いとする

醜い価値観で世界を醜いとする

共感を仰いで うなづきを飲み込んで

今日を生きる糧にしている

今喋っている僕も

それを見ている君も

嫌悪感を晒す貴方も

うなづいているお前も

誰も互いを知らず

知ったふりをしている

知っていると思っている

知っていると確信している

知らない事を知らず

同じように生きている

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