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ひつじのアニメ感想

@anime-sheep

アニメ映画「泣きたい私は猫をかぶる」 感想

「ちゃんと言いたい、あなたのことが好きだって。言われたいんじゃなくて言いたい」

スタジオコロリド制作による日本の長編アニメーション映画。監督は佐藤順一。先日おなじスタジオコロリド作品の「雨を告げる漂流団地」の感想を書いたが、猫をかぶるの方がすきだ。

ジュブナイル現代ファンタジー。そしてロマンス。

主人公の笹木美代が、妙ちくりんな化け猫から「ネコになれるお面」をもらい受けたことから物語が始まる。家庭環境が複雑で居場所のない笹木美代はその仮面の力を存分に享受するのだが、その能力には代償があったという話。

このファンタジー部分よりも、家庭環境の複雑な笹木美代が学校でも家でも無理して元気に振る舞っている様が一番印象に残っている。「泣きたい私」を誰にも見せたくないという強がり。こういう気持ちは誰でも共感できるものだと思う。義母に元気よく敬語を使っている様が痛々しい。

「泣きたい私は猫をかぶる」というタイトルはダブルミーニングだ。実際に仮面をかぶってネコになる物語だが、仮面なんかなくったって笹木美代は泣きたいし、ネコをかぶって生きているのだ。

ファンタジー作品でラブストーリーだけど、この痛々しい美代の描写がすごく心に残っている。いい作品だと思う。義母の猫もいいキャラ。そしてハッピーエンドにしてくれてありがとう佐藤順一。

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